昔懐いてくれた野良猫
今週のお題「ねこ」
中野に住んでいた頃のお話。
よく懐いてくれて、後ろをついてくる猫ちゃんがいた。
綺麗なオレンジ色の毛並みに鍵しっぽだったから、鍵しっぽになぞらえてキーちゃんと呼んでいた。
彼女はよく深夜に出没していた。
それでも神出鬼没だったけれど。
決まって遭遇したのが肉のハナマサの裏にある路地だった。
人間の様な子だった。そしてお母さんの様な子でもあった。
私が恋人と喧嘩して、家を飛び出たら、キーちゃんがいてくれたことが多かった。
深夜にいることが多いキーちゃんが昼間に私を慰めに来た時はビックリしたものだ。
キーちゃんはCiaoチュールしか食べなかった。
美食家の偏食家だったのだ。
それか、もう歳だったのかもしれない。
今もどこかで元気にしていることを祈る。